ウサギの膿瘍は難治性で
とてもとても厄介な病気の一つです。
体表にできる膿瘍
耳の付け根にできる耳根部膿瘍
顏にできる顎下膿瘍や眼窩膿瘍
おなかの中の腹腔内膿瘍
胸の中の胸腔内膿瘍や肺膿瘍
発生する部位によって名称は異なるものの
どれも治療が難しいことは変わりません。
まずウサギの膿はドロッとしていて固いのです。
ここに薬がなかなか浸透しません。
膿は通常はばい菌ですから抗生物質を使用したいのですが
この使用にもウサギは制限があります。
おなかの菌までやっつけてしまうと
それだけで命に関わりますから
抗生物質の量やその種類の選択は慎重にならなければなりません。
よく言われがちな、処方がないのに薬の使用は厳禁
なんて表現はこの辺りがおおもとにありそうですね。
そして膿瘍の本体たる膿瘍壁。
膿を囲っている壁ですが
これがとても頑丈です。
膿は体外へ出て行ってほしいのですが
その強固な壁がそれを障害します。
この壁が本当に厄介で
内部の膿が外へ出て行かないのに
外側からのくすりの侵入を阻止します。
この辺りがなかなか治らない素因といえるでしょうが
それでも頑張って治るケースはあります。
時間がかかることもあり、治療計画がとても大切なので
かかりつけの先生と相談してください。