2024年01月27日

かくれているもの (1/27 ウサギ)

BUNNY GRASSです。








ウサギの男のコで

まれに精巣が片方しかないコがいます。






P1260022.JPG







仰向けにした姿。向かって右にはありますが

左にはありません。








P1260022 - コピー.JPG









これを潜在精巣といいます。陰睾とも呼ばれます。





先天性に全くない、欠損しているというわけではなく、

お腹の中に精巣が入ったままの状態です。

イヌでは時おり見られます。





この潜在精巣は痛みも何もないので

そのままにしておかれがちです。





ところが放置しておくとおなかの中の精巣が

腫瘍化してしまうことがあります。

このことはイヌの獣医療では常識のように知られていますが

ウサギではよくわかっていませんでした。




ウサギは病気にはならないのではないか、

手術しておく必要は本当にあるのだろうか、

イヌの常識をそのまま当てはめていいのだろうか、




当院でもはっきりとした根拠がないために

非常に悩ましいことでありました。

しかし近年、飼われているウサギの寿命が延びたことによって

この潜在精巣が腫瘍化してしまっているケースを

散見するようになりました。

とんでもなく巨大化して臓器を圧迫することもありますから

早期の対処が重要と思います。

健診時には必ずチェックしているポイントですが

可能ならばご自宅でも確認してみてもいいでしょう。




「ウサギは成熟しても鼠径輪が開いたままになっている」




という誤認しやすい超重要なポイントがあります。

これはまたいずれご紹介します。














posted by BUNNY GRASS at 00:00| Comment(0) | ウサギ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする