この二日間、異様にウサギの食欲不振の診察件数が多いです・・
暖かくなってもそれは小さな動物にとっては
「急激な温度差」となって体に負担をかけてしまうのか・・・??
これも残念ながら証明することはできません。
大切なのは今の症状を見逃さず、治療に取り組むことです。
見逃さずというのが大切です。
いつから食べていないのか、全く食べないのか、
少しは食べるのか?
飼い主さんが見て、伝えてもらわなくてはいけません。
さて、診察です。
「ウサギがごはんを〇〇〇〇」といって来院しました。
レントゲンパシャリ。

さあ、どうでしょう。横向きの写真です。頭は左です。

赤丸がだいたい胃の部分です。
さあ、重要。
胃の中にはごはんがたくさん入っています。
よく食べてはいるのかなー?
そこで冒頭へ戻る。
「ウサギがごはんを全く食べません!」
これが来院の理由です。
食べていないのに胃の中にご飯が入っている・・・・
よくあります。毎日診ます。
この胃の中のごはんは、
知らないうちにこっそり食べていたわけではなく、
過去に食べたものが胃の中から流れ出ていないことを意味します。
必ずしも食欲不振でガスが溜まったりするわけではないのです。
この場合は速やかに治療をスタートしなくてはいけません。
このように、本来は常時動いている消化管を
静止画(レントゲン)で判断するのは難しいんですね。
さて、長々と何が言いたいのかというと
このレントゲンだけ見せられても診断はほぼ不可能です。
「食べていない」という情報があってこそ検査が生きてくるのです。
だからウサギの病気の治療は診察室がスタートなのではなく
症状を見せた自宅から始まっています。
自宅でどれだけ観察しているかがとても重要なのです。